早い。うまい。腹いっぱい。
凍らせた完熟トマトをすりおろし
そうめんにのっけただけの無骨メシ。


「びらとり」はアイヌ語の語源「ピラウトウル=崖の間の村」のとおり北海道南部に位置する山あいの盆地だ。トマト栽培の歴史は長く、戦前より自家用として栽培されていたが、ハウスを導入し、本格的な商業生産が始まったのは1973年(昭和48年)。しかしその翌年には暴風雨によるハウス倒壊の試練が襲った。当時を振り返りある農家は「此の状態ではトマトもこれで終わると思った」と書き記している。農協職員、道職員の懸命の努力によりトマト栽培の火をつないだ平取町は、その後少しずつ面積を増やし、1982年(昭和57年)には悲願の「トマト共同選果場」を完成させた。農家は一層トマト栽培に専念できるようになった。

びらとりトマトに転機が訪れたのは1986年(昭和61年)。完熟トマト「桃太郎」の導入だ。「赤くて歯ごたえが良く美味しいトマト」が評判を呼び、平取町は今では北海道を代表する「トマトの町」として成長した。

今年も平取町にトマトの旬が来た。



収穫シーズンのトマト農家の食卓に上がるのは「すりおろしトマトそうめん」。凍らせた完熟トマトをすりおろし、そうめんにのっけただけの無骨メシ。「早い・うまい・腹いっぱい」。


動画本編
日常では絶対に見られない農業の魅力、農家の素顔がここにあります。